ロボアドバイザーというもの:2020年のフィンテック
◇ 人生100年時代、お金が要る
投資しよう!といっても、どれにどのくらい投資すればいいのか分からない。ネット掲示板でSoftBankの株がいいって書いてあったから買ったけど、売り時も分からないから大抵負ける。
「人生100年時代」いつか働けなくなる日が来る。財務省は2000万円貯金しろという。あまりイメージできなくなるけど、例えば千葉の祖父は、一文無しになったらどうやって生活していくのだろうか。
そんな時代に生きている。銀行の預金金利は低くてたまらない。「貯蓄から投資へ」もっと利率のいいものを買えということだ。でもどうすればいいのか分からない。
◇ ポートフォリオ
買った株が一週間で30倍になれば万々歳だけど、そんなこと起こるわけがない。そんなのに期待してはいけない。
投資の基本は長期投資である。いま投資した分が30年後に3倍くらいになっていれば良いのだ。
そのために、何を買うのか。ポイントは「銘柄」と「比率」だ。800万用意したら、次にどの銘柄をいくら買うのかを考えよう。その構成のことを「ポートフォリオ」というのだ。
◇ 最適化問題
資産運用のプロは、ポートフォリオを組むのが上手い。でも素人は下手だ。そのために投資信託というのがある。その分、莫大なサービス料を払う必要がある。
プロが上手いのにもちゃんと理由がある。ポートフォリオの組み方は研究されて、理論ができている。
そもそも、なにが「よい」ポートフォリオか?二つの視点がある。「儲かること」がまず一つ、そして「リスク管理」がもう一つだ。
これをちょっと専門的に表すと、ポートフォリオの成績は、
期待リターン - リスク回避度 × 変動リスク
である。これをいかに大きくするかという最適化問題である。
◇ 平均分散アプローチ
ノーベル経済学賞を受賞したマーコウィッツさんが考えたのが「平均分散アプローチ」である。1950年にできたそうだから、随分古い。
この特徴は、「変動リスク」の指標に分散をとっているところだ。ということは、指標に違うものをとれば別のモデルになるということで、実際に①期待リターンからの乖離の絶対値の平均を使う「平均絶対偏差」や、②運用益が低いという条件のもとでの運用益の平均を指標としてとる「期待フリーフォール」という枠組みがある。
要は、ポートフォリオを作るための枠組みがあるということを知っていただきたい。詳しくは調べて欲しい。
◇ ロボアドバイザーというもの
ようやく本題のロボアドバイザーにたどり着いた。ご察しの通り、ロボアドバイザーはポートフォリオ作成を助けるのである。
先ほどの式の中の「期待リターン」は、株式やらの銘柄がとりうるリターンのことだから、それを調べる必要がある。人間の代わりにロボが教えてくれる。
また、自分がいついくらのお金を使うかによっても、運用法というのは変わってくる。その相談にも乗ってくれる。
かつては自分でやるかプロに頼むしかなかったポートフォリオ作成が、もはやロボの手でできるようになっている。これもフィンテックやら人工知能やらという新しい技術の恩恵なのだろう。すごいね。