銀行でやりたいこと

このタイトルのエントリも何本書いたか分からない。

 

社会課題は、金融による資本の誘導がなければ解決できないと、常々思っている。それほど社会課題は解決が難しい。そして、それほど金融の力は大きい。

資本の流れが変われば、人の流れ・行動が変わり、それらが積もって大きな変化が生まれる。金融はその一番はじめの変化をもたらす。ドミノのような、あるいはバタフライ・エフェクトのような。

 

地球温暖化に大きな問題意識を持っている。地球温暖化は、ある閾値を超えると、一気に進む。例えば山火事が起こりやすくなれば、木が燃えた分だけ温室効果ガスが排出される。永久凍土が解けてメタンが放出されれば、もっと過激に進む。だから、地球温暖化は早いうちに止めなければならない。実害も出ている。いま手を打たなければ手遅れになる。

地球温暖化はなにも環境だけの問題ではない。人間の文明を破壊する危険性も持っている。気候変動によって住む場所を失った環境難民、食糧難、それをきっかけとする戦争など。人間の移動は起こらない方が良い。最高なのは、今の状態のまま暮らせること。でもこのままの生活を続けていけば、ディストピアが来るのは間違いない。灰色の世界が地球を覆うことになる。

 

世界を救うのはやはりテクノロジーだと思う。俺はテクノロジーを発明することはできない。でも応援することはできる。応援とは、お金を渡すことはもちろん、研究設備を整えてあげたり、社会的な承認を与えてあげたりすることも含まれるだろう。それがやりたい。

 

世界のため、地球のため、誰かのためーーー。

こう考える人はいっぱいいると思う。その中で俺は、インパクトとリターンを両立させた事業を日本でたくさん立ち上げたい。人の思いを、実効性あるものに変えていく。

 

法人TSにおいては、事業者の人が、例えばサプライチェーンでどのくらいCO2を出しているのかを教えてあげる。そして、地球環境にも良く、コストも低くて利益率も上がるような仕組みに変えてあげる。目の前の仕事から、CO2の年間排出量を減らしていく。新しいマーケットにもなる。ビジネスチャンスは広がっている。

ものは組み合わせ次第で、その性能が大きく変わる。相性の悪いものは遠くに離した方がいい。一方で、相性の良いものは近くにしてあげなければならない。

 

俺の行動原理は、なにより弱き者を助けることだ。俺はヒーローになりたい。俺が死んだことを後悔してくれる人が居たら嬉しい。死んだあとも忘れないでくれたら嬉しい。そう思われるような仕事がしたいと思う。

 

サブサハラの極貧地帯で暮らす栄養失調の子供たちに、たらふくモノを食べさせてあげたい。時々行って食べさせてあげるのではいけない。仕組みそのものを変えていかなければならない。雇用を作り、インフラを整備し、人々を豊かにする。社会システムそのものを変えていかなければならない。

だからといってアフリカの人々にファイナンスをしてあげるわけにはいかない。投資とは、リターンがなければ成立しないから。

だから、日本人ができることといえば、技術を作るお手伝い、あるいは技術を広めるお手伝いをすることくらいだ。余ったお金を技術開発に向ける。これを通して水再生だとか、効率的で低コストな農業装置とか、さまざまなイノベーションを生み、間接的に貢献する。

 

金融を通じてイノベーションを活性化する。これしか道はない。